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2007年3月10日 (土)

河野談話からの後退とは何を指し示すのか~新談話が徹底的な調査と史実にもとづき過去に世界中の戦場で生じた性問題に言及し再び起こしてはならないとすれば後退でもなんでもない

「河野談話から後退すると問題だ」などと言う話は、病床においても否応無く耳にするが、果たして後退とは何かと感じる。

騒いでるからと言って、唯々諾々と根拠の疑わしい河野談話をありがたがり続ける社会などは進歩どころか文明的に後退している。むしろ、史実を客観的な証拠に基づいて調査し明らかにした上で、今後社会においてどうするかを検討することこそが進歩だ。どうしょうもない談話でなにかを批難する、それはどうしょうもないのではないか。

安倍総理は調査研究をするという自民党に資料を提出、提供するとした。先日の記事にあった民主党の有志がどうするか分からないが、民主党の有志にも提出、資料を提供するべきであるし、研究者にも資料を提出、提供するべきだ。

(以下、産経新聞の記事より引用)
首相「党に資料提供」 慰安婦問題

安倍晋三首相は8日、慰安婦問題で謝罪と反省を表明した平成5年の河野官房長官談話について、「自民党が今後、調査、研究をしていくので、資料の提出、提供で協力していく」と述べた。首相官邸で記者団の質問に答えた。首相はこれまで国会などで「官憲による強制的連行があったと証明する証言はない」と答弁しており、関係資料・文書を公開し、自民党側で事実上の再調査を進めることで、「強制連行」の裏付けがないことを改めて明らかにしたい考えとみられる。

自民、河野談話再調査へ

首相は、記者団に「私の発言自体がねじ曲げられて海外で報道され、それがさらに誤解を拡散させていく極めて非生産的な状況になっている」と指摘した。しかし、政府としての再調査については、言明を避けた。

首相の本心は「河野談話を見直す気持ちに変わりはない。彼はそうした問題に取り組むために首相になった」(政府筋)とされる。ただ、米下院で慰安婦問題をめぐる対日非難決議案が審議中であることや、米国、中国、韓国などで対日包囲網を築く動きがあることから、「政府として再調査に踏み出すにはタイミングが悪い」(周辺)と判断したとみられる。

資料には、河野談話が官憲による慰安婦募集の強制性を認めた最大の根拠である韓国での元慰安婦16人への聞き取り調査結果(現在は非公開)もあるが、首相は提供するかについて「まだ詳しく分からない」と答えた。

これに先立ち、自民党の「日本の前途と歴史教育を考える議員の会」(中山成彬会長)は8日、慰安婦問題について(1)実態の再調査と結果の公開(2)米下院の対日非難決議案の採択防止を含め、正確な理解を広める外交努力-を政府に求める提言を取りまとめ、首相に手渡した。

提言は、決議案を「客観的史実に基づかない一方的な認識」と批判した上で、「(決議案などの)誤った認識は、河野談話が根拠となっている」と間接的に河野談話の修正を求めている。

米下院の決議案は「女性を強制的に性奴隷化」などと軍による強制連行を前提に、日本政府に謝罪を要求。首相は5日の参院予算委員会で、「官憲が家に押し入って人さらいのごとく連れて行くという強制性はなかった。米下院の決議案は事実誤認がある」と反論している。

【用語解説】河野談話

宮沢喜一内閣総辞職前日の平成5年8月4日、河野洋平官房長官が「慰安所の設置、管理および慰安婦の移送は旧日本軍が直接あるいは間接に関与した。慰安婦の募集は、軍の要請を受けた業者が主としてこれに当たったが、甘言、強圧など本人たちの意思に反して集められた事例が数多くあり、官憲等が直接これに加担したこともあった」とする談話を発表し、謝罪した。

しかし、談話の根拠は元慰安婦女性からの聞き取り調査だけで、当時官房副長官だった石原信雄氏は「あらゆる努力を傾注して調べたが、直接的に(軍が)本人の意図に反しても女性を慰安婦とする、という指令書は一切なかった」と述べている。(2007/03/09 08:28)(引用終わり)

アメリカの下院がいかなる決議をするしないは、アメリカの下院の決めることだろう。アメリカのとあるメディアがいかに報じるかは、アメリカのとあるメディアが決めることだろう。が、言うまでもなく、その決議や報道内容がどれほど客観的に正しいものであるかによって、アメリカの下院やアメリカのメディアの品格が問われる。さまざまな政治決断が厳しく問われるのと同じように。

(以下、産経新聞の記事より引用)
慰安婦問題 対日非難は蒸し返し

【ワシントン=古森義久】米国議会の一部やニューヨーク・タイムズが「慰安婦」非難で日本軍の強制徴用の最大例として強調するオランダ人女性のケースは実際には日本軍上層部の方針に逆らった末端の将兵が勝手に連行し、その違法行為が発覚してすぐ日本軍自身により停止されていた事実が明らかとなった。しかもこの違法の性的徴用の責任者たちは戦後の軍事裁判で死刑を含む厳刑に処されており、今回の日本非難はすでに責任のとられた案件の蒸し返しとなっている。

オランダ女性の事例 末端将兵の行為 すでに厳刑

8日付のニューヨーク・タイムズは日本の慰安婦問題を安倍晋三首相がそのすべてを否定したかのような表現でまた報じたが、そのなかでオランダ人の元慰安婦だったというジャン・ラフ・オハーンさん(84)の「インドネシアの抑留所にいた1944年、日本軍の将校に連行され、慰安所で性行為を強要された」という証言をとくに強調した。同紙はオハーンさんの2月15日の米下院外交委員会公聴会での証言を引用しており、「日本政府からの公式の謝罪が最重要」と述べたとして、日本軍が組織的に総数20万人もの女性を強制徴用したという糾弾の最大の根拠としている。

ところが慰安婦問題に詳しい日米関係筋などによると、オハーンさんは戦後すぐにオランダ当局がインドネシアで開いた軍法会議で裁いた「スマラン慰安所事件」の有力証人で、その証言などにより、上層部の方針に違反してオランダ女性を連行して、慰安所に入れた日本軍の将校と軍属計11人が48年3月に有罪を宣告され、死刑や懲役20年という厳罰を受けた。オハーンさんは同公聴会で日本側が責任をとることを求めたが、責任者は60年近く前にすでに罰せられたわけだ。

日本政府には批判的な立場から慰安婦問題を研究した吉見義明氏も著書「従軍慰安婦」のなかでオランダ政府の報告書などを根拠にスマラン慰安所事件の詳細を記述している。同記述では、オハーンさんらオランダ女性を連行したのはジャワの日本軍の南方軍幹部候補生隊の一部将校で、(1)軍司令部は慰安所では自由意思の者だけ雇うようはっきり指示していたが、同将校たちはその指示を無視した(2)連行された女性の父のオランダ人が日本軍上層部に強制的な連行と売春の事実を報告したところ、すぐにその訴えが認められ、現地の第16軍司令部はスマラン慰安所を即時、閉鎖させた(3)同慰安所が存在したのは2カ月だった(4)主犯格とされた将校は戦後、日本に帰っていたが、オランダ側の追及を知り、軍法会議の終了前に自殺した-などという点が明記されている。(2007/03/10 06:09)(引用終わり)

他にも産経新聞izaに掲載されている阿比留瑠比・産経新聞記者のブログ『国を憂い、われとわが身を甘やかすの記』2007年3月9日付けエントリー「世界各国にもあった慰安婦・慰安所」を読んでいると、談話後退とかいう騒ぎはなんなんだろうと感じる。本当に後退しているのはどういうものなのだろうか。

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