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2007年2月 2日 (金)

調子が良さそうなときこそもめるもの、ほか

日本であの発言で揺れに揺れ、というよりもなんかいろいろ党利党略で使っているような、といった感じが小生のような政治のド素人にはしていたが、その間韓国ではハンナラ党も揺れていたらしい。もっとも、盧武鉉大統領ないしはウリ党サイドが揺れていなかった、わけもないのだが。

小生のようなド素人には、こうした動きが一番よく分からない。まぁすべては大統領選なのだろうが、なんのための新党なのやら。

(以下、産経新聞の記事より引用)
大統領候補引き抜き? 韓国与党、既存候補不人気 新党結成の動き

【ソウル=黒田勝弘】韓国政局は年末の大統領選に向け動きが活発化しつつあるが、野党ハンナラ党に水をあけられ候補難の与党陣営で“敵”であるはずのハンナラ党から候補を導入してはどうかという声が出ている。狙われているのはハンナラ党の“第三の候補”である孫鶴圭・前京畿道知事(59)で、与党支持者の間では、既存の与党候補をさしおき人気トップになっている。

世論調査によると、孫氏は同じハンナラ党の李明博・前ソウル市長(65)や朴槿恵・前党代表(54)に大きく差を付けられ人気度は3位。このままでは大統領候補としての指名獲得は無理というのが大方の見方だ。

これに対し与党ウリ党は、鄭東泳氏(53)や金槿泰氏(59)など既存の候補たちがまったく不人気なうえ最近、有力議員の脱党が相次ぐなど分裂状態で、新党結成は不可避の情勢になっている。このためウリ党をはじめ与党陣営では、保守野党ハンナラ党の中で進歩派と目されている孫氏を新党の大統領候補として擁立し、ハンナラ党に対抗するという“構想”がささやかれているのだ。

候補者難で危機感を募らせている与党陣営の苦肉の策だが、孫氏も「自分はあくまでハンナラ党の人間」と表向き一笑に付しながら内心はまんざらでもなさそうだ。

韓国政局は今後、与党陣営の新党計画に加え、野党ハンナラ党も李・朴氏の指名競争しだいでは動揺、分裂の可能性がなくはない。大統領選を前にこれまでの政界構図を崩す大規模な政界再編成となった場合、野党の孫氏が与党サイドで候補に担がれるという意外な局面もありうる。

孫鶴圭氏は京畿高・ソウル大出身のエリートで、政治学教授を経て国会議員に3回当選し保健福祉相や京畿道知事などを歴任した。ハンナラ党内では進歩派とみられ若い世代に人気があり、路線的には“中道改革派”とされている。左派や革新系主導の与党陣営では一時、野党の大統領候補になった場合もっともやりにくい相手といわれたこともある。

孫氏は日ごろハンナラ党の保守体質に不満で、最近も与党陣営で大統領候補に担ごうとの動きがある鄭雲燦・前ソウル大総長(60)などの名前を挙げ「ハンナラ党も創造・改革・統合の新時代を開くためにはこうした人物を迎え入れるべきだ」などと語っている。(2007/02/01 07:41)(引用終わり)

ハンナラ党の内部に関しては、
(以下、中央日報の記事より引用)
ハンナラ党、時ならぬ「白飯・麦飯」の論争

野党ハンナラ党に「アイデンティティー」をめぐる議論が広がっている。先月31日「真の政治運動本部」の共同本部長を務める延世(ヨンセ)大社会学科・柳錫春(ユ・ソクチュン)教授が、大統領選候補を宣言した高鎮和(コ・ジンファ)ハンナラ党議員に離党を求めながら本格化したもの。

高議員は同党では代表的な進歩派で、保守志向の党論に公開的に反対の意を示してきた。柳教授は「北朝鮮寄りの左派も同然の与党ウリ党にかかわっている議員らは去るべき」とし、高議員を攻撃した。すると高議員は柳教授に本部長を辞任するよう求めた。議論は1日の最高委員会議につながった。保守志向の田麗玉(チョン・ヨオク)最高委員は「ハンナラ党の公認で国会議員に当選したなら党のため犠牲、献身すべき」と高議員を叱咤した。

続いて田最高委員は、最近「無条件の執権が目標ではない」とした孫鶴圭(ソン・ハッキュ)前京畿(キョンギ)道支社も攻撃。「ハンナラ党はこの4年間ひたすら大統領選勝利のため、ひどい苦痛と侮辱に耐えてきた。政治学の教科書にも政党の存在すべき理由は政権交代となっている」とし「政党存在の理由を拒否し国民を混乱させる発言は控えるべきだ」と批判した。

アイデンティティーの議論は「白飯」と「麦飯」の論争に拡大された。「白飯」は保守政党としてのアイデンティティーを強化しようという側。「麦飯」は大統領選の勝利に向けて中道派や反対派も受け入れよう、という側だ。純粋保守かミックスされた保守か、をめぐる神経戦だ。田最高委員はまた「党ののアイデンティティーと党員らの切実な心情を大きく傷付ける人々が謹慎してこそ大統領選で勝利できる」とした。

保守強硬派の金容甲(キム・ヨンガプ)議員も「ハンナラ党議員の大半は元喜竜(ウォン・ヒリョン)、高鎮和議員らが党内選挙に出馬するのを見て党内選挙が戯画化するのではないか、と懸念している」と述べた。(引用終わり)

小生のような韓国のことをよく知らないド素人は時々忘れがちになるが、ハンナラ党の体制はもちろん保守であるが、そうでなかったりウイングを広げるべきという人物もいるにはいる、ので先の新党がハンナラ党候補を引き抜こうなんて話も出てくるのだろう。

その大統領選では経済政策手法や力量が争点となっているらしいのだが。

(以下、中央日報の記事より引用)
大統領選候補らのキーワード「経済大統領」

大統領選の有力候補らが繰り広げている激しい論争の焦点が、ソル(旧正月)を控えて「経済大統領」に移された。論争は、盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領が先月25日、李明博(イ・ミョンバク)前ソウル市長について「実物経済をやや知っているからと言って経済がうまく行くわけではない」と語ったことから始まった。

大企業の最高経営責任者(CEO)だった李前市長への高い支持率のためだろうか。他の有力候補らも経済の側面から李前市長を集中攻撃した。李前市長は1日、公営放送KBS(韓国放送公社)ラジオの番組『こんにちは、イ・モンリョンです』で「経験せず、仕事をしてみたことがないために、(盧大統領は)庶民のための政策を取ったものの、庶民がさらに厳しい状況に置かれた」と応戦した。

有力候補らは各自の体験と論理、処方でもって「大韓民国経済病」に接近している。誰が有権者の経済心理を刺激できるだろうか。「経済は想像力では解決できない」というのが李前市長の持論だ。「実戦経済」が同氏のモットー。同氏は「政策は誰でも作れるし、方法もみな似たようなものを知っている。問題は果たして実践できるかだ」と口癖のように語る。「サラリーマン成功の神話」に象徴される現場の実戦経験を通じて韓国経済を再建したいとのことだ。

「清渓川(チョンギェチョン)復元事業」で見せてくれたように「韓半島大運河」と「国際科学都市」などを実現したいとしている。最近、李前市長は「MB A+」というスローガンを掲げている。「MB(明博)が経済を『A+』に導く」とのこと。経済大統領のイメージを目ざすものだ。野党ハンナラ党の前代表・朴槿恵(パク・クンヘ)氏は「経済指導者論」がキーワード。朴氏は「現在必要とされる国家指導者は『経済専門家』ではなく『経済指導者』」と話す。

大統領は、経済哲学に基づき有能な経済専門家を登用することで、政策を実践できるような環境作りに努めるべきだ、という論理だ。李前市長が「実戦経済」ならば、朴前代表は「人の経済」であるわけだ。指導者は「経済リーダーシップ」のもと、人をきちんと動かすことこそ肝要だという認識だ。人の起用が経済運用の中核となる。

先月、経済諮問団を公開したのも、朴前代表をサポートする人々を通じて朴氏の経済哲学を知らせる、という意図のものだったもようだ。「人の経済論」は朴正煕(パク・ジョンヒ)元大統領から影響されたものと見られる。朴元大統領は、「鉄の男」こと朴泰俊(パク・テジュン)前総理を浦項(ポハン)製鉄(ポスコの前身)に投入し、金正濂(キム・ジョンリョム)秘書室長に10年間経済調整の役割を任せて、韓国経済を率いた。

前京畿(キョンギ)道知事・孫鶴圭(ソン・ハッキュ)氏の経済論は「グローバル経済」。いわゆる「21世紀の広開土戦略」が要諦だ。広開土戦略は、世界ランキングのトップ10に入るグローバル企業を育成し、世界ランキング・トップ100に入る大学校10校を育てる、との構想。この大学で育てた理工系分野の人材10万人を海外に送るとの構想も含まれている。また、米国など先進諸国との自由貿易協定(FTA)の締結も積極的に進め、韓日中ロなど周辺諸国を経済協議体に括るべきだ、というビジョンも含まれている。

◇元喜龍氏、「分配の活性化」=野党ハンナラ党の元喜龍(ウォン・ヒリョン)議員は成長に基づいた分配の活性化を夢見る。同氏は「国家競争力の強化を基盤に、国内では中産階級と庶民らに実質的恩恵が戻るようにすべきだ」と語る。与党「開かれたウリ党」(ウリ党)の前議長・鄭東泳(チョン・ドンヨン)氏は「中小企業の経済強国」を掲げる。

中小企業が国家競争力の源泉になるべきだとのこと。鄭氏は「大企業のグローバル競争をサポートするいっぽう、政府の力量を中小企業の活性化に集中すべき。それでこそ民生経済が回生できる」と強調する。同氏は、李前ソウル市長について「財閥中心、土木・建設中心の経済観では21世紀を開けない」と指摘したりもした。

◇千正培氏、「人への投資」=金槿泰(キム・クンテ)議長は「温かい市場経済」がスローガンだ。昨年8月「ニューディール」を提案したことがある同氏は、経済界と労働界の大妥協を通じて企業の投資を増やし雇用を創出すべきだ、と強調している。ウリ党を離党した千正培(チョン・ジョンベ)議員は「人への投資」を、金ヒョッ珪(キム・ヒョッキュ)議員は「起業しやすい国作り」をそれぞれ掲げている。

潜在的な大統領選候補に選ばれる文国現(ムン・グクヒョン)柳韓(ユハン)キンバリー社長は最近、李前市長について「セメントよりはソフトウエアと知識に関心を持つべき」とし「土木建設を中心に、国土の富を片寄らせる国土開発には限界がある」と述べた。(引用終わり)

ある意味分かりやすくはなったものの、盧武鉉大統領には支持率はないものの、引っ張り回す力はあるのだなと再認識させられる。

そんな中、韓国人に関する意識に関する研究に関して朝鮮日報の記事。

(以下、朝鮮日報の記事より引用)
民主化はさらに強い民族主義を生む

【新刊】康元沢(カン・ウォンテク)編『韓国人の国家アイデンティティーと韓国政治』(東アジア研究院)

人間が自らをどのように規定するかは、政治的選択に大きな影響を及ぼす。人々は、普段は現実的利益に従って行動するが、決定的瞬間ではしばしば自己認識がより強い影響力を発揮する。政治学者らが「アイデンティティー」研究に関心を持つのもそのためだ。

韓国政治で長い間大きな力を発揮してきたのは地域アイデンティティーだった。「地域感情」と表現されてきたこのアイデンティティーは、選挙のたびに猛威を振るった。しかし、最近では地域アイデンティティーが弱まり、何がそれに取って代わるのかをめぐって、さまざまな見解が出されている。東アジア研究院(EAI)市民政治研究チームの若手学者らが参加したこの共同研究は、こうした疑問点に答えようとする試みだ。

この本の最も大きな特徴は、実証的であるということだ。分析の基礎となる資料として、2005年8月の光復(日本支配からの解放)60周年を迎えて実施された「韓国人の国家アイデンティティー設問調査」を使用し、多様な分析を行っている。

この分析の結果として、康元沢教授は第一に、韓国人のアイデンティティーが血縁・地縁よりも所属感を重視する方向へ変化したと指摘している。「真の韓国人の条件」を問う質問に、「生まれ」(81.9%)や「血統」(80.9%)よりも、「国籍維持」(88.2%)や「韓国語の使用」(87%)を挙げる回答が多かった。

また、「大韓民国の領土はどこか」という質問には、年齢が下がるにつれ「現在の領土」と答える回答者が相対的に増え、北朝鮮の同胞に対する距離感がほかの年齢層に比べて大きくなっていた。この結果について、康元沢教授は「韓国と北朝鮮を別々の国家と見る“大韓民国民族主義” が台頭した」と主張している。

これと関連する重要な争点は、民主主義の発展が民族アイデンティティーを弱体化させるのかという問題だ。チョン・ハンウル研究員と鄭源七(チョン・ウォンチル)研究員は、民主的市民性が高い集団であればあるほど、民族に対する心理的愛着が強く現れると分析した。すなわち、権威主義的な民族主義からは脱却するものの、それが直ちに世界市民的方向へ進むことを意味せず、「民主的民族主義」の傾向が現れているというのだ。

また、韓国が階級アイデンティティーが重要となる先進国型政治へ移行しているのか、という問題も関心を呼ぶテーマの一つだ。キム・ミンジョン教授の分析によれば、過去史整理や国家保安法、南北関係をめぐる問題では政党支持者別の見解の差が明確に現れるが、経済など、そのほかの問題では明確な見解の差が見当たらないという。

この現象についてチョン・ハンウル研究員は、上位階級は理念を経済的な観点から理解するが、中産層以下の集団は経済以外の観点からアプローチしているためだと説明している。要するに、いまだ国民の多数にとっては、階級アイデンティティーが大きな力を発揮するには至っていないが、両極化の進展具合によっては階級問題が浮上する可能性が高いということだ。

最近、韓国人のアイデンティティーに重要な変数として浮上しているのは、北朝鮮と統一に対する認識だ。イ・ネヨン教授は、1990年代以降北朝鮮に対して友好的に変化していた韓国人の態度が、2002年の北朝鮮による核開発再開宣言以降は不信に変わっていると指摘している。同時に、米国に対する信頼も早い速度で減少を続けている。一方、感性的な統一至上主義は減少し、韓国主導の統一を支持する意見が多数を占めている。

このように、北朝鮮に対する態度は二重的でかつ分裂しており、理念対立の要因として作用している。政治指導者らの「統合リーダーシップ」が切実に望まれる理由もここにある。

また、「韓国人の脱物質主義」(韓準〈ハン・ジュン〉教授・李在烈〈イ・ジェヨル〉教授)では、民主化以降の韓国人の物質主義的変化を分析している。依然として韓国人の大多数は、文化的価値や生活政治の魅力よりも、富国強兵を願う現実主義者だ。物質主義者の比率は、通貨危機直後の1998年にピーク(57%)に達して以来、減少傾向にあるものの、依然として6%前後の水準にとどまる脱物質主義者を圧倒している。これは、脱物質主義者が20%にも達する米国やヨーロッパとは異なり、韓国では「ポスト・モダン」を語るにはいまだ時期尚早ということを示している。(引用終わり)

小生のようなド素人にはわかりにくい感じがしないでもないが、経済に関して政策嗜好の明確な差が見られない中で、候補者達は自らの経済政策方針や手法を訴え、大統領に当選したあとに一番得点の上げやすい経済問題に着手し、その結果次第で韓国では階級闘争が先鋭化しかねないという感じなのだろうが・・・

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