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2006年9月24日 (日)

文大使発言を報じる韓国紙に感じる違和感と転換点の兆し/ソウルの外交「伝統」ご都合主義/ワシントンにおける米韓同盟観が中央日報に

数日前から取り上げている文大使発言に関して、「おまえが言うか?」なんて感じのことを書いている韓国メディアの記事は少ない。目にするのは、「大ブレーンも嘆いているのだから、韓国外交ってやっぱりダメだよね」という感じの記事が多い。

盧大統領が必要以上に叩かれているとは全く感じない。最高責任者の大統領に批判が集中するのは当然すぎるほど当然だ。が、その大ブレーン自身が韓国外交をリードする立場であるような感じなのに「大ブレーンも嘆いているのだから、韓国外交ってやっぱりダメだよね」という論調が目立つ。東亜日報は皮肉っぽい書き方なのだが、それ以外にそれを読み取れないのは小生の読解力の問題もあるだろうが、違和感を感じる。

同時に感じるのは転換点。文大使発言から「ウリミンジョクギリ」外交といった「北と南は同じ民族」外交批判もさることながら、「対日外交が歴代最低」という批判が出てきているのは気になるところ。

(以下、東亜日報の記事より引用)
[社説] 大統領の「外交先生」も憂う4強外交の破綻
SEPTEMBER 23, 2006 03:55

外交通商部の国際安保大使である文正仁(ムン・ジョンイン)延世(ヨンセ)大学教授は一昨日、世宗(セジョン)研究所主催のセミナーで、政府が4強国家の外交に完全に失敗したと批判した。米国、中国、ロシア、日本、どの国に対しても韓国の国益を実現できなかっただけでなく、関係もスムーズではなかったと叱咤したのだ。

文教授は、盧武鉉大統領の「外交家庭教師」と呼ばれ、現政権の外交基調の設定に影響を与えた人物だ。「自主外交」や「北東アジアバランサー論」も、彼の構想が大いに反映されているという。最近の前職外交安保関係者たちの「自主外交」批判に対しても、「見た目によくない」と非難していた。

その文教授が今回の外交を批判したことは、政権の外交無能に対する告白宣言と聞こえる。米イェール大学のポール・ケネディ教授が、東亜(トンア)日報との会見で、韓国を「4頭の象に囲まれたアリ」と見て、「気を引き締めて、外交する力を育てなければならない」と訴えたことが想起させる。

文教授は、米国に対し「望むことをすべてしたが、(韓国に対する)批判世論があることは、北朝鮮に対する認識の相違のためだ」と説明し、「米朝関係から韓国は排除された」と述べた。イラク派兵と在韓米軍の戦略的柔軟性(機動軍化)の許容など、実利をすべて渡しても、反米・親北朝鮮行為で、米国から感謝の言葉すら聞けないということだ。

日本が、緊密になった日米軍事同盟の中で米国に寄生し、軍事大国化を追求することに対しても、韓国政府は十分に対処できなかったと批判した。また文教授は、金正日(キム・ジョンイル)総書記の訪中のさい、中国側は韓国に情報をまともに伝えなかったとし、「中国の高官に対する接近がますます困難になっている」と吐露した。文教授は、ロシアとも実質的な進展がないと述べた。

4強外交の総体的な破綻は、「同じ民族」コードで「外交論理」を無視してきたことに原因がある。盧政権は、残る1年半だけでも自主の幻想から脱し、崩れた4強外交を修復しなければならない。(引用終わり)

(以下、朝鮮日報の記事より引用)
【社説】「韓米・韓日・韓中・韓ロ関係、全て深刻な状況」

文正仁(ムン・ジョンイン)国際安保大使は21日、「(米国、日本、中国、ロシアの) 4大国との外交が深刻な状態にある。これには冷戦体制の終えんにともなう構造的な問題と、外交運営における能力不足の両方が影響している」と語った。

文大使は「米国の望むとおりに行動しているにもかかわらず韓米関係が停滞しているのは、北朝鮮に対する両国の認識が食い違っているため」と語った。

さらに文大使は「日本は米国に寄生して中国に対抗しようとしているが、韓国はどうやって乗り切ろうというのか、対策が見あたらない」と語った。文大使はまた「中国の高位関係者との接触が、日を追うごとに難しくなってきている。ロシアとの関係についても実質的な進展は何一つない」と語った。

文大使は現政権の発足以来、外交・安保関係者のご意見番のような役割を果たしてきた。その文大使の指摘だけに、韓国の周辺諸大国との外交関係は相当深刻な状態だと受け止めるべきだろう。

北東アジアにおける韓国の位置を考えたとき、韓国の外交はこれら4カ国との関係が全てだと言っていい。この4カ国との外交関係が行き詰まっているということは、すなわち韓国の外交運営そのものが深刻な状態にあることを意味する。

現政権は韓米日の3カ国による協調体制をないがしろにし、海洋勢力である米日と大陸勢力である中ロの間に立って、「北東アジアのバランサー」の役割を担うという遠大なビジョンを打ち出した。そしてそのビジョンを行動に移した結果、米国や日本との関係はこれ以上なく冷え込み、中国やロシアとの関係は以前よりも悪くなった。

在韓米第7空軍司令官は21日、「空対地射撃場の移転先問題が30日以内に解決されなければ、駐韓米空軍の戦力を韓半島(朝鮮半島)の外に展開することもあり得る」と語った。またティレリ元韓米連合司令官は「米国政府が韓半島の有事の際に米軍を追加派兵して韓国を支えるつもりでいても、米国の議会や世論しだいでは状況が変わることも考えられる」と語った。

現政権は戦時作戦統制権の韓米両国による共同行使体制が解消されても、戦争がぼっ発すれば数十万の米軍が派遣されると言い切ってきたが、米国ではすでに変化の兆しが現れてきている。

歴代政権でも最悪の対日外交についてはわざわざ指摘するまでもないほどだ。

盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領は昨年11月の韓中首脳会談の際に「今、韓中関係は説明する必要がないほど良い状態」と語った。しかし実際には、韓中間の高位関係者による接触はますますその頻度が下がってきているという指摘だ。ロシアは韓国を助けるような境遇になく、そうした意志もない。

韓国の外交運営は事実上、韓米日3カ国の協力体制に依存してきた。その協力体制が崩れて韓国が孤立しているのに、中国やロシアが前よりも韓国に気を遣う理由もない。

現政権が発足してからの3年7カ月、韓国外交は対米、対日、対中、対ロのすべてにおいて負の業績のみを記録しているのが現実だ。(引用終わり)

日韓首脳会談に関してソウルが外交の伝統を持ち出している。日中よりも日韓が先、という伝統だが、いかにご都合主義的なものであるかは明らかだ。南方三角同盟という伝統を時代遅れと断じて、北東アジアのバランサーなんてやっている政権の消息筋が、今さら伝統を持ち出しているのか理解に苦しむところ。

(以下、聯合ニュースの記事より引用)
政府の韓日関係正常化メッセージ、安倍政権発足後に
2006/09/24 15:08

【ソウル24日聯合】政府は日本で26日に安倍晋三政権が発足した直後に「韓日関係の正常化」に関するメッセージを伝える方針だ。その後、両国の高官が接触し、韓日間の主要懸案について意見交換するものと見込まれる。

政府消息筋は24日、「安倍政権の発足後に首相就任の祝賀メッセージを送り、両国関係の正常化の必要性に言及し両国の共同努力を促すことになるだろう」と述べた。政府内で安倍自民党総裁の首相就任後に韓日首脳会談を開催するよう主張する意見があることは事実だとし、韓日高官による協議を経て、この問題に対する政府方針が調整されるとの見通しを示した。

政府の別の消息筋は、安倍総裁の首相就任後の訪韓招請問題が取り上げられているのは事実だが、政府の方針はまだ決まっていないとする。韓日首脳会談を1回行うよりも望ましい韓日関係を築くことが重要で、どう実践するかが問題だと述べた。「小泉首相の靖国神社参拝問題などで悪化した両国関係を正常化するのに重要なモメンタムを生かす必要があるというのが政府の考え」と伝えた。ただ、歴史認識に対する日本の新政権の方針が韓国国民の情緒と調和すべきで、この点については両国の協議で認識レベルなどの調整が図られるだろうと述べた。

政府が日本との関係正常化に動き始めたのは、中国がこのほど日本と外務次官会談を行い首脳会談再開について協議したこともある程度関連がありそうだ。この消息筋は、「伝統的に、日本で首相就任直後は韓日首脳会談が先に行われており、今回もこれを維持すべきではないか」と話している。(引用終わり)

いっそ竹島不法占拠している韓国とは首脳会談を行わないとか。靖国問題で首脳会談を行わないとするのは正しいという先方のやり方に学んで。

米韓首脳会談が終わってしばらくすると、韓国政府の説明とは違って米韓関係が冷え切っていることがつぶさに見て取れる現象が出てくる。ただし、今回は在米韓国大使館と青瓦台の説明が食い違うというというところまでいってしまったようだが、前者について。

(以下、中央日報の記事より引用)
「韓米関係を終えるつもりでは?」「韓国は朝米の仲介人」…ワシントンの雰囲気

戦時作戦統制権(戦作権)移譲反対の意向を伝えるため20・21日にワシントンを訪問した李相得(イ・サンドゥック)国会副議長らハンナラ党代表団は、2日間に20人余の米国側人物に会い、その相当数から韓国と韓国政府に対する冷笑と不満の声を聞いた、と伝えた。ハンナラ党議員らが接触した相手は上・下院議員、元・現政府高官、シンクタンク関係者らだ。

ハンナラ党側によると、共和党と政府高官、関連シンクタンクの関係者らが特に韓国に批判的だったという。李相得副議長は記者懇談会で「盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領と尹光雄(ユン・クァンウン)国防長官は韓米同盟に異常はないと述べているが、ワシントンの状況は尋常でない」と語った。

以下は訪米したハンナラ党関係者らが伝えた米国側人物の発言。

◆サム・ブラウンバック米上院議員(共和党)=「韓国は同盟と感じていたが、現在の韓国政府は米国と北朝鮮の仲介人(intermediary)の役割をしているようだ」

◆バルビナ・ファン氏(ヘリティジ財団研究員、ヒル国務次官補特別補佐官内定者)=「盧大統領が韓米関係を終えようとしているのではないかと疑問を抱いている」

◆キャサリン・スチーブンス米国務副次官補=「戦作権移譲問題を先に提起したのは盧武鉉大統領と韓国政府だ。米国は同盟関係の変化を望む韓国政府の立場に応じようとしている」

◆ラリー・ニクシー研究員(米議会調査局)=「韓国では反米感情がずっと表出しており、われわれが現状を維持すれば(米軍が基地を返還して全員撤収した)フィリピンのようにすべてを失う。したがって韓国政府の望み通り戦作権を移譲するのがよい」(ハンナラ党側が戦作権の移譲に反対すると述べたことに対して)

◆ジャック・プリチャード所長(韓米経済研究所)=「韓国の反米デモが米国に伝えられ、米国は傷を負った。韓米同盟は揺れている」(韓米経済研究所は韓国政府の支援を受ける機関)

◆マイケル・ホロウィッツ研究員(ハドソン研究所)=「韓国の潘基文(パン・キムン)外交通商部長官が国連事務総長候補として北朝鮮人権に対する立場を明らかにしない場合、米国の保守勢力が選任反対運動を繰り広げる可能性もある」(ハドソン研究所は米シンクタンクの一つ、ホロウィッツ氏は以前から北朝鮮人権問題に関心を持つ人物)

◆アド・ロイス下院議員(民主党)=「米国が1950年にアチソンラインを引いたのは(北朝鮮の誤った判断を招いたため)誤りであり、戦作権論議がこのように北朝鮮に誤った信号を送ってはならない。また北朝鮮に現金を握らせてはならず、このため開城(ケソン)工業団地の運営方式を変えるべきだ」

◆ジョン・ティラリー元韓米連合司令官=「韓国政府は米軍が出て行くのを喜んでいるようだ」

◆ロバート・リスカシ元韓米連合司令官=「われわれは客であり、出て行けと言われれば出て行くしかない」(引用終わり)

フィリッピン、沖縄、日本、アリューシャンがアチソン・ラインで、誤ったシグナルとなり朝鮮戦争へ。

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