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2006年9月12日 (火)

和製「盧武鉉」か民主党。小沢代表、無投票再選へ

「安倍対小沢」、分かりやすいのは内政部分ではなく外交や安全保障に関する違いだろう

小沢陣営の出している内政の理念はいくつかの項目は踏み込んだものにはなっているが、一体どういうところからお金が出てくるのか全く分からない。が、それよりも比較しようにも安倍陣営の出しているものがあまりに理念的すぎ、その中身がどうなるのか全く分からない。

それに引き換え、違いが際だっているのが外交や安全保障に関する部分。相手の国がある話なので、改めて書くまでもなく、どこどこの国とどう付き合うかなんて事細やかに記されていない。

が、一番違いが際だっているのがこの部分。ともに毎日新聞の記事から。
小沢陣営は、「対等な真の日米同盟を確立。中国、韓国をはじめアジア諸国との信頼関係を構築する▽自衛権は憲法9条にのっとり、個別的であれ集団的であれ我が国が急迫不正の侵害を受けた場合に限って行使する」これのどこが対等で真の同盟関係か。盧武鉉大統領は「自主」だが、こっちは「対等」か。

安倍陣営は「「世界とアジアのための日米同盟」を強化し、日米双方が「ともに汗をかく」体制を確立。経済分野でも関係を強化」。経済分野でも関係を強化とあるところは、岸元総理を彷彿とさせられると月並みなことを感じたりもしないでもないが、安倍陣営には「対等」の文字はない。

(以下、毎日新聞の記事より引用)
民主党代表選:小沢氏基本政策 格差是正、対立軸に--自民・安倍氏意識

◇1人区対策色濃く

民主党の小沢一郎代表が11日に発表した基本政策は「格差是正」をテーマに内政問題に重点を置き、逆に安全保障や憲法問題では踏み込んだ言及を避けたのが特徴だ。来夏の参院選で勝敗のカギを握る「1人区」へのアピールを意識する一方、参院選を前に党内対立を生みかねないテーマは慎重に扱う意図がうかがえる。政策以上に参院選勝利にかける小沢氏の「一点張り」戦略が、基本政策にも表れた形だ。【尾中香尚里、須藤孝】

●内政問題に重点

「小泉政権でセーフティーネットが作られないまま、規制緩和で自由の要素を強調したことが格差問題になっている」。記者会見で小沢氏は小泉政権の負の遺産が「格差の拡大」にあると強調した。次期首相就任が確実視される安倍晋三官房長官の「再チャレンジ」を意識し、格差問題を対立軸に打ち出した形だ。

小沢氏は基本政策の六つの柱のうち、四つを内政問題にあてた。冒頭に掲げた教育政策で奨学金制度の拡充を盛り込んだのは、親の経済力の差が子供の学力格差につながっているとの指摘を踏まえたもの。雇用政策では「野放図な非正規雇用の増加が社会の二極化を招いている」として、「非正規雇用から正規雇用への転換促進」などをうたった。農業政策では、大規模農家に限った所得補償をうたう政府に対し、自給率向上などの立場から、所得補償の対象を中小農家に広げる考えを示した。

いずれも、小泉改革で負の影響を受けた層がターゲット。重点課題の選定にも、参院選の「1人区」対策が色濃くにじみ出た。

●安保踏み込まず

格差問題に比べると、憲法・安保問題での記述はやや淡泊だった。

基本政策は自衛権について「個別的であれ集団的であれ、わが国が急迫不正の侵害を受けた場合に限って行使する」と記述。国連の要請に基づく平和活動への積極参加をうたったが、この場合に部隊は国連の指揮下に入るため、「国権の発動たる戦争」を禁じた憲法9条違反には当たらない、という論法だ。

注目されるのは、小沢氏の持論「国連待機部隊」構想に言及がなかったこと。小沢氏は「問題なのは憲法の判断。内外の人たちに誤解されないためには(自衛隊とは)別組織を作った方が良い」と述べたが、持論を封じた背景には、参院選勝利に向け党内の結束を保つため、対立を招きかねないテーマへの深入りを避ける狙いがあるようだ。

これに対し安倍氏は、「憲法改正」を前面に掲げて自民党総裁選を戦っている。民主党の弱点と見越した上での戦略とみられる。憲法問題で民主党に攻め込む「安倍自民」をどう受け止め、「内政」での逆襲に転じられるかが問われそうだ。

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◇民主党の小沢一郎代表の基本政策(要旨)

◆「人づくり」から「国づくり」を始める

「日本国教育基本法」を制定▽義務教育は国が最終責任を負う。市町村が創意工夫できる制度に▽高校までを義務教育化し、中高一貫教育を実現。就学年齢を5歳に引き下げ

◆格差をなくして国民が助け合う仕組みをつくる

官民とも管理職は自由競争だが、非管理職は終身雇用を原則とする▽議員年金も含めすべての年金を一元化。消費税を福祉目的税化し、消費税を財源として1人月額6万円を支給する基礎年金と、所得比例年金の2階建てに統一

◆まず食料から国民の安全と安心を確保する

食料の完全自給を目指す▽小規模生産でも生活できるよう総合的な農山漁村振興策を実施▽農家の生産費と市場価格の差額を補償する制度を創設

◆地方を豊かにする

中央からの個別補助金を全廃し、自主財源として自治体に一括交付▽全国の市町村を300程度の基礎的自治体に集約し、国と基礎的自治体による二層制を目指す

◆平和を自ら創造する

対等な真の日米同盟を確立。中国、韓国をはじめアジア諸国との信頼関係を構築する▽自衛権は憲法9条にのっとり、個別的であれ集団的であれ我が国が急迫不正の侵害を受けた場合に限って行使する▽国連を中心の平和活動に積極的に参加

◆政治を国民の手に取り戻す

国会審議に官僚を参加させない▽侵略やテロ、大規模災害などの非常事態に一元的に対処する制度を創設▽憲法以下の法制度の欠陥を速やかに是正する

毎日新聞 2006年9月12日 東京朝刊(引用終わり)

(以下、毎日新聞の記事より引用)
自民総裁選:安倍氏の会見要旨、公約要旨

■安倍晋三官房長官の出馬表明記者会見での主な質疑は次の通り。

--憲法改正を実現する段取りと、集団的自衛権の行使への対応は。

◆自民党総裁としてコンセンサス(合意)を作るリーダーシップを発揮しなければならない。任期中に少しでも進める。まずは国民投票法の成立を目指す。集団的自衛権については個別具体的な例を検討すべきだ。

--政権構想で民主党を意識した点は。来年の参院選をどう位置付けるか。

◆特に民主党を意識する必要もない。参院選の前に統一地方選、衆院補選もある。そのときどきの選挙に全力でぶつかりたい。

--政権構想の政策をどう肉付けするか。

◆具体的な政策はさらに発表したい。まだその機会はある。

--派閥を離脱するか。小泉純一郎首相の人事手法を踏襲するか。

◆派閥の意向を聞き取って人事に反映することはしない。総裁選に当選すれば当然、派閥を離脱する。派閥の一員として選挙運動を展開する考えはない。

--具体的にどう経済を成長させるか。

◆IT(情報技術)分野に投資し生産性を向上させていく。オープンな経済を実現し、中国、インドなどの成長を日本の成長に取り込んでいく。財政再建という意味では税の増収を図り、歳出削減に取り組む。抜本的な税制改正を行う。消費税はある程度上げざるを得ないが、(税率)何%かを今の段階で言うことは適切ではない。

--「美しい」という言葉を使った経緯は。

◆日本人は行動が美しいか醜いかを敏感に感じ取る国民だ。日本の麗しさ、すばらしさを再構築しなければならないという思いで使った。

--靖国神社問題に触れていないが。

◆行くか行かないかは外国から指図されるものであってはならない。それによって首脳会談ができる、できないというのは間違いだ。日中、日韓関係は極めて重要であり、首脳会談を復活させるためにお互いに努力しなければならない。

--小泉政治との違いは。

◆ 小泉首相は改革を進めるために今までの体制を打ち壊し、新しいものを作ることに全力を注いだ。これからは、新しい未来に向かって国づくりをしていかなければならない。破壊よりも、なるべく多くの人たちが参加して国をつくっていくというスタイルで政治に取り組んでいきたい。

■安倍晋三官房長官の政権公約「美しい国、日本。」の要旨は次の通り。

◆政権の基本的方向性◆

○文化・伝統・自然・歴史を大切にする国=日本にふさわしい憲法の制定▽開かれた保守主義▽歴史遺産や景観、伝統文化等を大切にする▽家族の価値や地域のあたたかさの再生

○自由と規律の国=教育の抜本的改革▽民間の自律と過度の公的援助依存体質からの脱却

○イノベーションで新たな成長と繁栄の道を歩む国

○世界に信頼され、尊敬され、愛される、リーダーシップのあるオープンな国

【具体的政策】

1、政治のリーダーシップを確立

※首相官邸主導体制を確立する=内閣・与党が一体となり、政治家が政策決定の責任者として官邸主導を明確化▽政策立案の場への開かれた人材登用※能力主義の導入といった公務員改革を断行

2、自由と規律でオープンな経済社会

※ イノベーションの力とオープンな社会で日本社会の新たな活力を維持※誰もがチャレンジ、再チャレンジできる社会の実現=努力した者が報われ、勝ち組、負け組が固定しない社会▽女性や高齢者の積極的な雇用促進▽テレワーク人口を倍増※地方の活力なくして国の活力なし=道州制ビジョンの策定で地方分権を推進▽ 地方行革のさらなる推進※成長なくして財政再建なし=財政を確実に健全化▽歳出・歳入一体改革は経済成長を前提に歳出改革に優先して取り組み▽消費税負担のあり方、直接税のあるべき所得再分配効果など、中長期的視点から総合的な税制改革の推進

3、健全で安心できる社会の実現

※ 「日本型社会保障モデル」で安心安全のセーフティーネット=年金、医療、介護、社会福祉を一体的に見直して持続可能な制度とする▽社会保障番号の導入や徴収一元化を検討▽被用者年金の一元化※「百年の計」の教育再生をスタート=高い学力と規範意識を身につける機会の保障▽学校、教師の評価制度導入▽学校教育での社会体験活動の充実

4、主張する外交で「強い日本、頼れる日本」

※「世界とアジアのための日米同盟」を強化し、日米双方が「ともに汗をかく」体制を確立。経済分野でも関係を強化※開かれたアジアにおける強固な連帯の確立=中国、韓国等近隣諸国との信頼関係の強化※拉致問題、核・ミサイル問題等、北朝鮮問題の解決を目指す※自由な社会の輪を世界に広げる=米欧豪印など価値観を共有する国々との戦略対話を推進※官邸の外交・安保の司令塔機能を再編、強化=情報収集機能の強化

5、党改革:新たな時代の責任政党のビジョン

※候補者選定で公募、予備選挙の活用を徹底

6、「戦後レジーム」から、新たな船出を

※21世紀の日本の国家像にふさわしい新たな憲法制定に取り組む※国連常任理事国入りを目指す

毎日新聞 2006年9月1日 20時49分 (最終更新時間 9月1日 22時19分)(引用終わり)

毎日新聞の記事にあるように、確かに小沢陣営の出しているのは参院選挙を見据えて攻めの姿勢に見えるが、党内融和を念頭に置いてもいる守りの姿勢が目立つ基本政策なような気がしてならない。が、農業政策に関してはそうは思えない。郵政政局のあのとき、郵政の後は農協改革だなんてことで危機感を募らせる族議員も少なからずいた自民党、果たしてどうでるか。

それにしても・・・「自主」を振りかざし、そのほか「バランサー」を振りかざして外交政策的に窮地に陥る盧武鉉政権の現状を目の当たりにしながら、自衛権を絞りながらの「対等」とは一体どういうつもりなのかと思うばかりだが、以下の記事を読みながらしみじみと感じたことがある。

(以下、毎日新聞の記事より引用)
民主代表選:小沢氏が無投票再選 参院選へ全力強調

民主党代表選は12日告示され、小沢一郎代表(64)以外に立候補の届け出がなく、小沢氏の無投票再選が決まった。25日の臨時党大会で正式に選出される。任期は08年9月末までの2年間。小沢氏は再選決定を受け党本部で記者会見。「来年の参院選で野党で過半数を獲得するという大きな目標に向かって全力で頑張りたい」と述べ、政権交代に向け、次期参院選を政治決戦と位置づけ、与野党逆転を目指す考えを強調した。

会見で小沢氏は、新執行部人事について「菅(直人代表代行)、鳩山(由紀夫幹事長)両氏には大変な力添えをいただいた。党内みんなで力を合わせて国民の理解を得る体制を作りたい」と述べ、挙党態勢の維持に配慮する考えを示した。25日に発足する新体制では両氏を再任し、トロイカ体制を維持する意向だ。

参院選対策に関しては、従来重視した改選数1の「1人区」に加え、改選数3以上の都市部選挙区での複数候補擁立にも力を入れる考えを表明。都市部の選挙対策として「サラリーマンが一番心配している雇用と年金を最大のテーマにしていきたい」と述べ、基本政策で掲げた「終身雇用制度の維持」「年金一元化」などを自公政権との対立軸とする意欲を示した。

小沢氏は、前原誠司代表(当時)が偽メール問題で辞任したことを受けて4月に代表就任。衆院千葉7区補選勝利などで党勢を上向かせたことなどから求心力を保ち、中堅・若手議員も含め続投論が拡大した。出馬に意欲を示していた河村たかし衆院議員は推薦人が確保できず、立候補断念を表明した。【衛藤達生】

=◇=

12日に無投票再選を決めた民主党の小沢一郎代表の、立候補届け出の際の推薦人は次の通り=敬称略、丸数字は当選回数、(参)は参院議員。

<小沢一郎代表グループ>神風英男(2)山口壮(2)森裕子(参)(1)<菅直人代表代行グループ>加藤公一(3)津村啓介(2)小川敏夫(参)(2)<鳩山由紀夫幹事長グループ>大島敦(3)松野頼久(3)尾立源幸(参)(1)<羽田孜最高顧問グループ>原口一博(4)笠浩史(2)北沢俊美(参)(3)<旧民社党グループ>伴野豊(3)後藤斎(2)山根隆治(参)(1)<旧社会党グループ>筒井信隆(4)佐々木隆博(1)水岡俊一(参)(1)<前原誠司前代表グループ>仙谷由人(5)峰崎直樹(参)(3)<野田佳彦前国対委員長グループ>長浜博行(4)榛葉賀津也(参)(1)<無派閥>笹木竜三(3)島田智哉子(参)(1)林久美子(参)(1)

毎日新聞 2006年9月12日 21時04分(引用終わり)

民主党内のグループ分布、とまでは行かないまでも、どういうグループがあり、どういう人物がいるかということをうかがい知れる。が・・・・自民党総裁選では推薦人を集めて正式に立候補したのは現役閣僚からのみということもあり、自民党は人材が枯渇しているなんてことが言われているが・・・・・言われているうちが華なのだろう、無投票再選にもかかわらず民主党に関して人材が払底しているとはあまり聞かない。それにしても、挙党一致で自衛権に関してはこういう考え方なのだろうか。

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