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2006年8月21日 (月)

小泉総理がはらせなかった霧をはらせ

04年9月初旬あたりのことを今さらながら思い出した。小泉総理が船で北方領土を「視察」ということがあった。
ことさら強調して報じられていたのは、初めて海上からの視察という点。そのときの総理の感想は「近いね。もっとはっきり見たかった。霧がかかっていたからね。」というもので、ド素人の小生は「それだけ?」とがっくりとしたものである。ヘリで上空からというものと比べたらいいではないか、という話もあったように思うが、それだけで終わったことにがっくりきたことを思い出した。

小泉外交の悪かった点として指摘されるのは近隣外交であるが、そこで言われる近隣とは首都が近いというだけなのではないかと感じがしないでもない。そして近隣諸国との外交、対中・対韓外交が悪かったなんてことがまことしやかに言われているが、最も反省点を洗い出し見直されるべきは対露外交だったのではないか。他は小泉外交の築いてきたものをどう発展・継続していくかというように思う。今までそれほど北方領土の問題に関しても、その問題点に関しても触れてこなかった無知な小生が記すのはおかしいが、そう思えてならない。

そういえば日米では小泉総理とブッシュ大統領、拉致問題では安倍長官、中韓とは関係閣僚が個別に会談を行う、といった感じで人が見えていた。が、対露外交の領土交渉の中でそういうものがしっかりと見えていたかといえば、見あたらない。その理由は対露外交に霧がかかっていたのか、それとも小生の無知かは分からないが。

日本領海内の貝殻島付近でのロシアが引き起こした悲しい事件は、決して漁業協定を遵守するとかGPSで位置を確認し、今後こうした事件を引き起こさないように両国が話し合っていくと言うところで落ち着くべきではない。それもまた必要であるが、いかに北方領土を取り戻し、ロシアとの関係を良好なものにしていくのか、目に見えた形で行う戦略を打ち立て目標を達成するべきときでないのか。

(以下、産経新聞の記事より引用)
「漁業協定順守で一致」 漁船銃撃、訪露の塩崎外務副大臣帰国

北海道根室沖のカニ漁船銃撃・拿捕(だほ)事件で、ロシア国境警備局ロシュコフ第1副長官らとモスクワで会談した塩崎恭久外務副大臣が20日、成田空港着の全日空機で帰国した。

成田空港で塩崎副大臣は、北方四島周辺海域での安全操業について「2国間の漁業協定を守ることが大事という認識で一致した。どういうことがあっても人命が失われることがないよう再発防止の徹底を強く要望した」と強調した。

乗組員3人の解放については「ロシア側は船長の責任を強調しており既に刑事手続きに入っている。船長以外の2人については別途の扱いがあると感じた」と早期解放があり得るとの見方を示した。(08/21 01:55)(引用終わり)

決して事後処理で終わらせてはならない。断固として抗議し、北方領土を取り戻す戦略を作るべきだ。

個人的に気になったのは、前原前民主党代表と地元国会議員の対応の違いである。小生は前原前代表の行動が正しいように思う。地元国会議員がビザなし渡航への参加を見合わせた背景や中止を求める(中止というのがまた気になるところだ、中止を求めるというのはうやむやになるのを待つだけという感じがして何か奇妙な感じがする)声が高まっているのは、おそらくビザなし渡航が「交流」という日露友好というイメージの元に行われてきた事業だったからなのかもしれない。

交流という名目でなければロシア側はビザなし渡航をみとめないのかもしれない。しかしながらそれを戦略的に利用しつづけ、訪れた場所でロシアの政府関係者に地元の声をバックにしっかりと抗議する姿勢が必要なのではないか。そして、前原前代表の指摘するようにビザを必要とする渡航などに後戻りすることになっては、北方領土がロシアの領土だと認めることになりかねないのではないか。

(以下、日本経済新聞の記事より引用)
ビザなし渡航に前原氏が参加

民主党の前原誠司前代表は18日からの北方領土への「ビザなし渡航」に参加するため、17日に根室市の北方四島交流センターで事前研修を受けた。同行予定だった仲野博子衆院議員(北海道7区)は銃撃・拿捕事件を受け、参加を見合わせた。 (07:02)(引用終わり)

(以下、毎日新聞の記事より引用)
漁船銃撃拿捕:前原・前民主代表「ロシア側に責任」

北方領土・択捉島を3泊4日で訪れていたビザなし渡航日本側第7陣(団長、西沢雄一・北海道中標津町長ら54人)が21日、チャーター船で根室市根室港に戻った。貝殻島沖で起きた「第31吉進丸」=4.9トン、坂下登船長(59)ら4人乗り組み=の銃撃・拿捕(だほ)事件の直後だったため、同市が中止要請する中で行われたが、参加した前原誠司・民主党前代表は会見で「渡航を自粛した場合、向こう(ロシア)が逆手を取って(今後の渡航に)ビザを求めてくる可能性がある。がまんの時期」と述べ、交流継続の重要性を強調した。

会見で前原前代表は、現地で20日行った対話集会の席上、「いかなる理由があろうと、丸腰の人間を撃つことは言語道断。ロシア側に責任がある」と抗議と謝罪を求めたことを明らかにした。これに対し、ロシア側は「あってはならないこと」と遺憾の意を示したにとどまったという。

また、前原前代表は「日露外交当事者間で、(ロシア主張領海内での)警告の仕方や武器使用基準を考えるべきだ」と話し、実態に基づいた協議の必要性を提案した。【本間浩昭】毎日新聞 2006年8月21日 18時49分 (最終更新時間 8月21日 19時00分)(引用終わり)

自民党のポスト小泉もさることながら、本当に再選で行くように見える小沢民主党。両党ともに9月で党内の体制は一応仕切り直されることになる。この両党、どういう外交安全保障姿勢で小泉総理がはらせなかった霧をはらすのだろうか。

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